俳句同好会月別優秀句紹介

蔵前関西俳句同好会(つくし会)の各月の
秀作句を紹介します。

 6月例会(平成16年 6月13日)

どくだみを 軒に干したる 里の道     国司
鐘の音に うきくさ揺るる 寒山寺     古丸
風鈴や 留守居の軒を ほしいまま    延
胡弓の音 豫園の若葉 縫ふ如し     橋本
三毛猫や 十薬の花 踏み行けり     古谷
十薬や 夕日に映ゆる 晶子詩碑     市川
怖じ気立つ 庭の十薬 びっしりと    熨斗

 7月例会(平成16年 7月11日)

山車並ぶ 杜に祝詞の 朗朗と      橋本
今年竹 人なき家の 軒を越ゆ      古谷
松の花 海を眼下に 天守閣       古丸
三代の 潮掛け合うや 夏の海      延
遠花火 頼りに車 走りたる       国司
ボヘミアの 悲恋の古城 草茂る     中島
病院の 心尽くしや 星祭        市川

 8月例会(平成16年 8月 8日)

百日紅 茜雲にも 溶け込まず      市川
航涼し 姉妹の唱ふ ローレライ     橋本
飛騨の朝 湯煙流る 晩夏かな      古谷
風鈴や 生国ごとの 音を愛で      延
夕日差す 岩間に一輪 山あざみ     国司
大青田 鷺一斉に 飛び立てり      古丸
朝明けの 古城に蝉の 鳴きとよむ    橋本

 9月例会(平成16年 9月12日)

旅終る 庭に早くも 虫の声       延 
新涼や 流れに乗りし 笹の舟      橋本
ナース等の 語らい静か 百日紅     国司
暑がりの 父の墓石 洗ひけり      中島
烏賊火増ゆ 函館山の 展望台      古谷
台風や 若栗高速道に散り        古丸
マラソンや テープを切りし 汗眩し   橋本
若き日の 恋うすらぎぬ 大文字     中島
朝顔に 出迎えられし 無人駅      延 

10月例会(平成16年10月11日)

大和路の 地蔵の笑みや 萩の散る     中島
蕪村句碑を 装ほふ如く 萩こぼる     市川
畔に臥し 空見る藁の 案山子かな     古丸
遍路路 杖を止めたる 萩の寺     古谷
コスモスの 咲き乱れたり ローカル線 延
身に入むや 風化厳しき 無縁塚 橋本
運動会 走れ走れと 追ひかけし 国司
タンカーを 曳く船遅遅と 秋の海     中島

11月例会(平成16年11月14日)

石蕗の花 庭の一隅 照らしけり       中島
晩秋や 水面に映る 雲早し        古谷
星のごと 庭に散り敷く 金木犀       延
秋深し 暗き伽藍の 鎮まれり       市川
天高し 背筋伸ばして 一万歩       中島
紅小菊 掴まり立ちの 子が口に      古丸
花野行く 「旅愁」の歌を 口ずさみ    橋本
秋雨や 野良猫すくむ 縁の下       国司

12月例会(平成16年12月12日)

地震の傷 癒えし神戸や ルミナリエ    延 
団欒を 重ねし疵や 置炬燵        橋本
三日月や 二つの星の 間に入る      古丸
行く年や 天変地異の 多かりし     中島
熱燗や 春巻き一つ あれば足る      国司
店頭に 新走りうる 伏見かな      古谷
夫々に 木々よそおひて 谷紅葉     市川
「いろは松」の 菰巻明る 彦根城    中島
金比羅の 千の急磴 初もみじ      橋本

 1月例会(平成17年 1月17日)

初御空 鶏鳴高く ひろがれり     中島
初風呂や 黒潮蹴立て 船の航く     古谷
初御空 箒目美しき 杜の道     国司
一段と 眩しき春着の 三年生     橋本
静かさや 鎮守の森の 冬萌ゆる      市川
字の癖の 変わらぬ友の 年賀状      延 
門松の 薄雪冠る 一休寺        古丸
翁らの 年酒余所に 牌の音     橋本
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