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12.講演後の Questions & Answers.

Q1: 最近 50年間(の推移)を、(到達)時間(短縮)の見地から評価してほしい。
Ans: (東海道)新幹線で観る。東京・大阪間を最初(50年前)は4H以上で、後に 3H以下逐次低減してきた。
   その最大要因は、車両の進歩・発展と路盤整備・強化がポイントである。
   このことは蒸気機関車時代から不変であって、つばめ(初代)時代も、最初は無停車・機関車積込みの
   水対策(特設の水槽車を増結していた)で、(所要8Hを)ようやく実現させた。
   特急電車こだまでの評価(6H台へ短縮)も車両の進歩・軽量化と、路盤整備の向上がポイントであった。

Q2:(さまざまの)技術革新・社会変容で人口減少も顕著。こうした変化で鉄道線路網の維持はどうなっていくか?
Ans: 現にJRでも、問題事項・懸案である。新幹線と都市圏輸送以外は生き残りが難しい。
    (さらに、都市圏輸送 さえも、自動車の革新技術如何で生き残り安閑ではない

Q3: 昔のキップを展示しているか?展示している施設等があるか(ご存じですか)?
Ans:乗車券は京鉄博においても大切な資料収集の対象※である。(譲る方は)維持・保存をキッチリ行うので
    委ねてほしい(ただし、展示するか否かは、展示計画等との関連があることをご了承いただきたい)
    ※収集資料例=時刻表は殆ど全ての版を収蔵している。
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   【資料2の概要】

11.鉄道博物館の小史
    京都鉄道博物館に到る経緯と、その特徴をピックアップ。
    細部は、以下の動画資料 (youtube で PCによる視聴が可能)
     本資料に関連する 動画の URL
     ※ 交通科学博物館(弁天橋)平成26年4月6日 最終日の様子: https://youtube /0cXsreMY9Os
     1.京都鉄道博物館プロモーションビデオ :                https://youtube/m4vuDlp-fUo
     2.京都鉄道博物館 内覧会ビデオ :                   https://youtube/0dCIHdEPKOo
     3.京都鉄道博物館 開館初日 :                     https://youtube/yhuXWx-_2e0


11-1 交通科学博物館(当初は交通科学館)
    S37開館 来館者数は36万人/年 ( 70%が大阪エリア、また団体小人の入場が半減⇒少子化により近年は漸減傾向)
    展示室=7室、展示車両=20両(7100・230形蒸気機関車 〜 DD54形ディーゼル機関車 、 0系新幹線など)
    重文・JRW指定の鉄道記念物などの資料を収蔵
    特徴=『体験展示』(さわって学ぶ・知る) ⇒ 京都鉄博に 伝承 している。
    (博物館としての資料規模 図書 2万点・資料 4万点 ⇒京都鉄博に 伝承している
                            但し鉄博(大宮)は28万点 英国々立鉄博は60万点)
11-2 梅小路蒸気機関車館(計画時の『栃木・小山』から『京都・梅小路』に急転開設)
    S47開館( 当初はSL18両 )  扇形機関庫・転車台+旧二条駅舎(移築)等整備
    来場者数約20万人/年、京都エリア以外が60%と全国区、また子どもは減少)
11-3 京都鉄道博物館…2施設を発展的に統合して開館
    ・博物館としての使命・行動規範を重視して、充実目指す(資料収集含めて)
    ・展示内容の整理にポリシーを反映(『生きた展示』『解りやすい博物館』『テーマ編成』)            了
【講演の概要】
  
1.鉄道の始まりと蒸気機関車の発展…P3〜8
    産業革命の根幹である『蒸気動力の利用』は、機関車という素晴らしい武器を
    早くに確立(1829 マンチェスタ-リバプール鉄道のロケット号)して
    巨大システムを形成することにより、産業社会の根幹を担ってきた。
    一方で、わが国ではその効能・存在の大きさから、政治に翻弄され続けてきた。
     (蒸気機関車の技術的な成熟度が、鉄道システムの発展に大きく寄与している)
  【解説ページ】< 1.鉄道の始まりと蒸気機関車の発展 >…(ここをクリック)

2.各国の鉄道の発展と軌跡…P9〜10
    馬車軌道(軌間4ft8in)を鉄(板)で覆うことから鉄軌条に進展させ、
    さらに曲線での走行を円滑にするため
    軌間をわずかに広げて敷設した鉄道システム(4ft 8 -1/2 in)は、私企業がイギリス国内を
    瞬く間に覆った。
    さらに、仏・独など欧州各国で、それぞれ特有の経営形態で大きく拡がった。
    米国でも1831 B&O鉄道の開業から、私鉄の急拡大により巨大な路線網を持つに
    至った。近代以降の社会・経済環境の変化で、その経営基盤は激変し、困難さを
    増しているが、各国それぞれに様々工夫を続けている。
  【解説ページ】< 2.各国の鉄道の発展と軌跡 >…(ここをクリック)
      
3.鉄道の日本への導入と社会への貢献…P11〜14
     幕末の開国の頃、鉄道模型の紹介は大きなインパクトがあった。明治政府はお雇い
     外国人から日本人技術者育成に注力し、社会インフラの鉄道網を約40年で日本
     国内中に張り巡らせた。この鉄道網拡大と自前技術(日本人技術者による)の発展は
     我が国の底力があってのモノである(欧州以外の他国と大きく異なる)。
     但し、諸事情からの狭軌の選択は鉄道網拡大とはうらはらの、路盤・軌道の
     強度不足も手伝って、長きに亘り大きな影響を及ぼしている。
     (しかし、日本の鉄道は、社会システムとして、類似各国のなかでは最もよく発達したといえる)
  【解説ページ】< 3.鉄道の日本への導入と社会への貢献 >…(ここをクリック)

4.日本での鉄道技術の確立…P15〜18
     井上 勝(初代鉄道頭)は、養成学校整備に注力して、外国人から短期(約10年あまり)で
    日本人技術者を養成。技術の国内化を進めた。トンネル・鉄橋・車両 などを数年〜
    20年程度で国内化。蒸気機関車の製造は最も難しく、純国産は約40年を要したが、
    大正期には独自の生産基盤を確立した。但し、狭軌・脆弱なインフラによる制約は
    蒸気機関車の性能向上を大きく妨げたが、後の電車・さらに新幹線による鉄道技術の
    革新につながったともいえる。
  【解説ページ】< 4.日本での鉄道技術の確立 >…(ここをクリック)

5.蒸気機関車について…P19〜25
    きわめて初期の段階で、基本のメカニズムが完成していた。
     (2シリンダ-位相差90度のクランク駆動で、任意位置での発進を可能にした)
    多管式ボイラ+排気ドラフト利用で高燃焼のコンパクト構造を実現
    <ワルシャート式弁装置>※などにより操作性も巧みに向上した。
    20世紀に入ってから、過熱蒸気化や複式気筒など、さらに技術改良された。
    (但し、日本では過熱蒸気化を除き実用化していない)
  ※:ワルシャート式弁装置 模型動画 [ https://youtu.be/aPSKuzO9JpA ]
  【解説ページ】< 5.蒸気機関車について >…(ここをクリック)

6.電車の発展…P26〜32
    動力近代化=電化&ディーゼル化 ⇒ 新幹線へ
    鉄道は基本的にエネルギー効率高い( 電気車>ディーゼル>蒸気 )。
    脆弱な路盤でも、軸重が軽い動力分散化(特に電車)で高速度を達成できた。
    これに、交流電化技術・広軌別線計画(戦前)が奏功し、新幹線へとつながった。
    旅客サービスの営業施策も相まって、技術向上と競争力維持ができた。
  【解説ページ】< 6.電車の発展 >…(ここをクリック)

7.史料T-鉄道貨物輸送の衰退…P33〜36
    S23以降、中長期計画で進めた改善計画は、輸送力増強がメインテーマであったが
    国内環境の変化等で大きな影響を受け、競争力低下と繰り返しの運賃上昇で、
    次第に行き詰まる。特に、貨物は著しく輸送シェアが低下した(高速化・コンテナ化が奏功せず)。
  【解説ページ】< 7.史料T-鉄道貨物輸送の衰退 >…(ここをクリック)

8.史料U-国鉄からJRへ…P37〜41
    S55 『再建促進特措法』から紆余曲折、S61に基本法案で諸懸案にケリ。
    S62年に民営7社に分社。各社各様の特徴・事業環境・経営課題に直面・対応。
    (国鉄時代からの)重大事故への対応、労働組合問題
  【解説ページ】< 8.史料U-国鉄からJRへ >…(ここをクリック)

9.鉄道の基礎…設備・インフラ〜技術等…P42〜48
    鉄道特有の諸事項を概説。特に 閉塞・信号の概念、ATSとATC などについて
  【解説ページ】< 9.鉄道の基礎…設備・インフラ〜技術等 >…(ここをクリック)

10.『国鉄とJR 番外編』…P49
    特有の風土・文化、環境変化とそれへの対応・課題
  【解説ページ】< 『国鉄とJR 番外編』 >…(ここをクリック)
                                             以上
当日の講演主旨は、時間制約もあってここまでであった。
以下は、準備資料の概要説明のみ(機会あれば、続編として計画したい)


〜 平成28年5月午餐会(第692回) 〜
   (開催:平成28年5月10日(火) 大阪中央電気倶楽部)


  演題:国鉄とJR ・ 京都鉄道博物館の開館に因んで   

講師: 兵東 勇 (S44 電気 卒) 

   

                                                   自己紹介(ここをクリック)

        【講演のポイント】 
   @ 鉄道博物館の存在意義・社会的役目等について
     梅小路蒸気機関車館にて、見学来館者から『蒸気機関車は、なぜ電線ナシで走れる?』と質問されるなど、きわめて基本的な
     知見・知識が消えている。歴史の中で、鉄道の果たした実績・役割を知ってもらう必要性を痛感。     
   A 4月開催-石田理事長による関西講演会での講演
     国際活動に活躍した理事長から、欧州を主とした『鉄道の現代史的重要性・位置づけ・問題点』の世界的な分析・解説を頂いた。
     これに対して、日本国内ではどうであったか?どう変化してきたか?これから何が問題か?などを、具体事例等で解説・理解を深めたい。
   B 鉄道の原点・意義・使命
     鉄道は、巨大システムを社会インフラとして、マネジメントし続けている存在
     1世紀以上の間に、隆盛と衰退の双方を履歴しているが、その間 政治の影響を受け続けてきた
     環境エネルギー面からの期待が大きいが、社会・技術の進歩次第では予断を許さない。
   C 鉄道の原点としての蒸気機関車
     蒸気のエネルギーを回転運動として利用⇒蒸気機関車が、客貨の大量移動を人類の手にもたらした。
     日本はよくこれを活用し、近代化を成し遂げた。
   D 以上の技術的・経営工学的な見地に加えて、(旧)国鉄からJRに遷移する過程で、その
     社会学(組織論)的な見方でのふり返りも論評された。
   『国有鉄道』という大変大きな組織を論じて 予定時間が満了し、当初計画していた『京都鉄道博物館』に
   関する最新トピックの解説が、わずかになってしまった。

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           解説資料の全体は、ここからダウンロードできます
           (1) 国鉄とJR ( Q&A 付き)…(ここをクリック)                   (国鉄とJR_all-page.pdf=kokutetsu_all.pdf)
           (2) 京都鉄道博物館へ…交通科学博物館・梅小路蒸気機関車館から…(ここをクリック) (博物館_all-page.pdf=hakubutsukan_all.pdf)
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国鉄とJR




















































































<資料2>
京都鉄道博物館へ…交通科学博物館・梅小路蒸気機関車館から

                          京都鉄道博物館へ…交通科学博物館・梅小路蒸気機関車館から…(ここをクリック)
                    講演者は、交通科学博物館・梅小路館の各館長を歴任し、京鉄博(略称)会館準備に携わった。

































講演後の Questions & Answers.