2025年度 第38回関西蔵前講演会(公開講座) 報告
「今、サイエンスの最先端は?」
(中央電気倶楽部・ZOOMウェビナーによるハイブリッド方式)



蔵前工業会関西5支部(大阪支部、京滋支部、兵庫県支部、和歌山県支部、岡山県支部)は、2025年4月19日(土)13時より、大阪市北区堂島浜の中央電気倶楽部にて、38回関西蔵前講演会を開催しました。会場に74名、オンラインにて全国から49名、合計123名の皆様に参加いただきました。


 始めに、蔵前工業会大阪支部の開会挨拶、蔵前工業会井戸清人の主催者挨拶があり、続いて東京科学大学の若林則幸副学長から来賓挨拶が行われました。
今回は「今、サイエンスの最先端は?」をテーマに2つの講演が行われました。


<主催者挨拶>
蔵前工業会 井戸清人理事長、㈱国際経済研究所副理事長
「トランプ関税ショック下の日本経済と日銀金融政策」と題したお話しがありました。トランプ政権の関税政策の影響、日本のインフレ率等の説明があり、さらに、フレキュシリティ(柔軟性を保証)の重要性と人材教育の必要性が強調されました。

 
    井戸清人理事長


<来賓挨拶>
東京科学大学 若林則幸副学長

「東京科学大学の近況について」と題して紹介いただきました。その中で、故中林教授(東京工業大学出身、東京医科歯科大学教授)の象牙質への接着性樹脂の開発について、両大学にあるイノベーションへのこだわりと連携のDNAの例としてお話いただきました。

 
    若林則幸副学長



講演会テーマ1:「AI技術の現状と将来動向について」
講師: 東京科学大学総合研究院 横田理央 教授

生成AIの進化について解説下さり、中国の「DeepSeek」オープンモデルとOpen AI等の米国のクローズドモデルの比較、利点と課題、日本の立ち位置、開発状況について論じられました。今後はAI自身によって新たなAIが生み出される時代が到来するとの見通しが示され、自国でのAI開発の持続性と戦略について問題提起がありました。


   
    横田理央教授のご講演の1シーン



講演会テーマ2:「腸呼吸の可能性」
講師: 東京科学大学総合研究院 武部貴則 教授

重症呼吸不全に対する代替手段としての「腸換気法(EVA)」の研究についての紹介がありました。開発に至る背景や実用化に向けた苦労、さらにはビジネス展開への道筋について語られました。講演は、「発明は跳ぶように、イノベーションは這うように進む」との印象的な言葉で締めくくられました。


    
  武部貴則教授のご講演の1シーン




最後に、関西蔵前講演会実行員の飯島大阪支部長より、「講師への感謝と講演の感想、多数の参加への御礼、関係各位への御礼」を述べ、閉会した。

 
 リアル参加者の集合写真



講演会終了後には講師を囲んでの懇親会が開催され、講師や関係者との交流、会員間の旧交に加えて、一橋大学同窓会如水会からの参加者との交流の機会ともなりました。

 

                        関西蔵前講演会実行委員会
                        平野喜章(大阪支部 H07電子化学修)編集