2024年度 第37回関西蔵前講演会(公開講座) 報告
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蔵前工業会関西5支部(大阪支部、京滋支部、兵庫県支部、和歌山県支部、岡山県支部)は、2024年4月20日(土)13時より、大阪市北区堂島浜の中央電気倶楽部にて、第37回関西蔵前講演会を開催しました。WEB(ZOOMウェビナー)での視聴も可能なハイブリッド方式で行われ、会場60名、WEB74名合わせて134名のご参加がありました。
始めに、蔵前工業会の井戸清人理事長より主催者挨拶があり、続いて東工大の益一哉学長から来賓挨拶が行われました。
今回は「医工連携と次世代電池が産み出す社会に向けて」をテーマに2つの講演が行われました。
<主催者挨拶>
蔵前工業会 井戸清人理事長、㈱国際経済研究所副理事長
近年の日銀金融政策と日本経済の動向について、多数の図表に基づいて説明し、日本の経済成長のための提言として、例えば教育の改善や東工大への期待について述べられました。
井戸清人理事長 |
<来賓挨拶>
東京工業大学 益一哉学長
「東工大の近況他」と題して、最近のキャンパスでのトピックや東京医科歯科大学との統合、女性活躍推進などについて説明されました。加えて東工大応援キャンペーンの寄付について謝辞がありました。
益一哉学長 |
講演会テーマ1:「医工連携による手術支援ロボット開発」
~研究から製品化までの道のり~
講師: 東京工業大学 科学技術創成研究院 准教授
リバーフィールド株式会社代表取締役社長 只野耕太郎氏
外科手術における手術支援ロボットの利用を中心にご講演が行われました。特に、東工大と東京医科歯科大学による医工連携により研究開発された、力覚フィードバック機能を実現した手術支援ロボットについて、その設計・開発プロセスや製品導入コストの抑制、製品の有効性、臨床導入例などが説明されました。
さらに、手術支援ロボット開発の今後の展開、医療機器開発の難しさ、医工連携の難しさ等についての説明がありました。この講演会後、知的財産の取り扱いや薬事申請に関する質問がありました。
只野 耕太郎氏のご講演の1シーン |
講演会テーマ2:「全固体電池―研究の道程と最新状況」
講師: 東京工業大学 科学技術創成研究院 全固体電池研究センター長 特命教授 菅野了次氏
次世代のエネルギー貯蔵技術として期待される全固体電池についての説明やその開発の現況、今後の開発のロードマップの概要に加えて、鉛蓄電池から現在までの電池の開発の歴史、特にLiイオン電池から全固体電池までの開発について説明されました。同時に、固体の中をイオンが伝導するメカニズムや各種電池の「出力vsエネルギー密度」における位置づけについても説明がありました。
さらに、全固体電池研究センターの概要やこれまでの研究の道程、現状を装置や図を用いて説明され、全固体電池の利点や期待、開発の課題と共に、将来展望についても講演されました。この講演会後、充電時間や材料の入手可能性に関する質問がありました。
菅野 了次氏の講演の1シーン |
最後に、関西蔵前講演会実行員の飯島大阪副支部長より、「講師への感謝と講演の感想、多数の参加への御礼、関係各位への御礼」を述べ、閉会した。
リアル参加者の集合写真 |
講演会終了後、中央電気俱楽部にて講師を囲んでの懇親会が開催され、多数の方が参加され、そこでも講師に対して活発な質疑応答があり、楽しい懇親会となりました。
関西蔵前講演会実行委員会
平野喜章(H07電子化学修)編集