c 9月19日(木)、第74回関西蔵前懇話会が、西日本センターを基点にハイブリッド形式(会場参加者名7、Zoom参加者21名)にて開催されました。

話題1 科学技術政策の歴史
                   飯島賢二(S57材料科学博) 大阪大学
日本では、医薬品、半導体、航空宇宙といった、基礎的な科学の重要性が
とりわけ高い産業の衰退、学術論文の量/質の低下等の課題が浮き彫りに
なっており、それらへの対策を意識づけるために大学院博士課程での講義に
このテーマを選んだ。戦後の高度成長を支えた産業強化施策を振り返り、
1996年にスタートした科学技術基本計画を解説された。それを、米国の取り
組みと比較してみると、具体的な数値目標とか大学院教育での育成すべき
人材像において具体性のないもので、どこにでもある将来予測による提案で
夢が感じられないと言い切られました。また、机の上だけでは作れない、
現場をよく見ないと本当に必要なものが分からない、つまり夢を描くことも
できないとのコメントもありました。この講義を聞いた学生が、自分の夢を
具体的に持って突き進んでくれることを祈ります。

話題2 学校の教室配置の最適化問題
山本浩明(S61電気修H141総合理工博)パナソニック オペレーショナルエクセレンス株式会社
高校生の娘さんの夏休み自由研究の課題に一緒に取り組まれた内容を発表
された。娘さんには今の学校校舎は7階建てで音楽室等の移動教室が、自分の
教室から遠く移動距離が長いという問題意識があった。そこで、現在の校舎での
最適な教室配置だけでなく、校舎の形状まで含めた最適化を検討された。具体的
には、教室の幅の移動を1コマ,階段の移動は3コマ移動と前提をおいて、地道に
ケースごとに3学年の各9組の時間割に合わせた移動コマ数を数えて解いたそう
です。結果、平屋の四角い校舎にぎっしりと教室を集めた形がベストとなったが、
採光・換気に問題があるとなった。現在の校舎で3階までに全教室を集められる
ので、その場合は、全学年の総移動距離が現状の58%減になることが分かった
そうです。今回の話題は、最適化にむけてまだまだ課題はあるものの、高校生の
娘さんと一緒にこのような作業ができる山本氏の家庭がすごいとの皆さんの印象
でした。
                                   記 堀 学(S51経営)
                             





全員集合 Photo
  

               

■ 第74回「関西蔵前懇話会」(関西五支部)