第31回関西蔵前講演会・懇親会 報告


蔵前工業会関西5支部(大阪支部、京滋支部、兵庫県支部、和歌山県支部、岡山県支部)は、4月21日(土)
午後1時より大阪市の中央電気倶楽部にて、
31回関西蔵前講演会及び懇親会を開催し、講演会115名
(会員93名、一般22名)、懇親会57名の参加者を得て、盛会裏に終了しました。

坂本洋一組織委員長(S46無機、大阪支部長)の開会挨拶があり、講演に先立ち東工大の水本哲弥 理事・副学長
「東京工業大学の近況について話されました。

 
   [ 水本 哲弥 東京工業大学副学長のご講演 ]

指定国立大学法人に指定されたことにより、蔵前工業会の会員も参画する「未来社会DESIGN機構」での未来社会像の
立案とその成果のグローバルな発信、財務基盤の強化等が望まれるとのお話しが有りました。


 講演会は、東工大工学院機械系の武田行生教授、トヨタ自動車()の稲垣匠二(S61制御工学卒)第一先進安全開発部長から
講演を頂きました。

 最初に武田教授からは医療・福祉活動における動作支援ロボット技術に関する現状と将来展望
という題目でご講演頂きました。

 
   [ 武田 行生 教授のご講演 ]

支援ロボットは運動神経の信号に合わせて動作出来るサポートスーツ型リハビリロボット、健常者が介護や重労働
環境で健康に長く作業が続けられる筋力支援ロボット、人間の複雑な関節の動きを新しいメカニズムにより追従して、
軽く・簡単に装着出来るリハビリ支援装置など、現場での動作支援の実例と今後の技術課題が多数紹介された。
又開発体制には機械・電気・制御以外の異分野、異業種が融合する協創プロジェクトが重要であると述べられた。


 最後に稲垣部長からは安全システム・自動運転技術の動向と今後の社会への影響という題目でご講演頂きました。

   
    [ 稲垣 匠二 部長のご講演 ]


自動車の自動運転技術には予防安全技術が必須で、2種類の眼/センサー(単眼カメラ、ミリ波レーダー)が様々な道路状況を
検知し、事故を防止する安全機能が説明された。

衝突回避支援(PCS)では、自動ブレーキ作動で車間距離を制御し、レーダー・クルーズコントロール、
インテリジェント・クリアランス・ソナー
(ICS)を高級車から搭載し、追突事故の90%、ペダルの踏み間違えを70%防止
できた。

トヨタは40年以上前から自動運転技術開発を続けており、「人と車が同じ目的を目指し、見守り・助け合う仲間関係を
築く」モビリティ・チームメイト・コンセプト・システムを東京オリンピックの時期の実用化を目指し開発を進めている。
一般道への自動運転では今後法令、事故の責任他を社会が受け入れる体制作りが課題であると話された。


 
  [ 講演会終了後の集合写真 ]



場所を移して、懇親会では講師の先生方を囲んで懇談が色々の話題で行われ、来賓の本房事務局長や各支部長等に
ご挨拶を頂き、最後に穴原京滋支部幹事の指導で全員が大学歌斉唱後、解散となりました。

 
 [懇親会終了後の集合写真]


 

                        実行委員長:大軒康夫(S49化学工学修、大阪支部)