関西蔵前俳句同好会(つくし会)06・12ー07・02

 
関西蔵前俳句同好会(つくし会)は、平成12年9月に8人で発足し、月1回の句会を持って、現在まで、6年半を続けて居ります。
場所は、西日本センター(竹田設計事務所)の一隅を借りて行って居ります。
 
 今般は、平成18年12月の句会,平成17年10月〜平成18年9月の互選による秀句一人4句選出(蔵前jounal2007新年号掲載),平成19年1月句会,平成19年2月句会のものを報告致します。


俳画は平成19年新年の干支(猪)を橋本恭二さんが描いたものです。



写真は、平成18年の年末忘年句会の時のもの,
 
【平成18年12月句会】

置炬燵 聞くともなしか 妻の愚痴

延 義之
子に急かれ 茶漬かき込む クリスマス 國司喬伸
遺骨なき 忠魂の碑や 寒波来る          橋本恭二
ダイオード 煌めきのぼる 大聖樹 中島幸雄
庭師去り ポインセチアの 明るめり 古谷昭雄

【平成17年10月〜平成18年9月の互選秀句】
國司喬伸
故郷や 廃屋の柿 たわわなる
寒月や 宝珠かがやく 八角堂
初七日 母と語るや 百合の花
若葉風 津山城址の 櫓映ゆ

中島幸雄
籾殻を 焼く香ただよふ 秋祭
梅園に 托鉢の尼 身じろがず
一叢の どくだみ白く 暮れ残る
猫じゃらし 茂る隣地に 売地札

延 義之
点滴の 窓の隙より 秋の声
暮早し 門灯点し 妻を待つ
春霞 万里の長城 どこまでも
モーツアルトの 夕べなりけり 青嵐

古谷昭雄
茅葺きの 美山の盆地 暮れ易し
風花や 熊野古道の 庵跡
卒寿媼 祝ふ夕餉の 春炬燵
万緑や 写経の筆を 暫し措く

橋本恭二
喜寿の妻 新酒に紅く 染まりたる
沈丁の香や 登校の声 朗ら
終戦に 拾ひし命 花を浴ぶ
夏の雲 戦艦大和 眠る沖

【平成19年1月】

初日の出 黄金の海 立ち尽くす

橋本恭二
去年今年 米寿を目指し ウオーキング 延 義之
破魔矢をば 手渡す巫女の 紅袴 古谷昭雄

年明くる 日数指折る 受験の子

國司喬伸
屠蘇酒や 交わす夫婦の しみじみと 中島幸雄

【平成19年2月】

青空の 何時しか深み 春めきぬ

中島幸雄
シクラメンの 花震はせて ジャズ奏づ 橋本恭二
夏越しの シクラメン愛づ 妻の声         古谷昭雄

湖の辺の 白鳥おのおの 気取りたる

國司喬伸
陶狸 千両・万両の 実をかかぐ 延 義之

 
文責:橋本恭二