関西午餐会平成26年度10月「秋季見学会」開催報告

 

関西午餐会の秋季見学会を、兵庫支部の企画により、平成26年10月7日(火)下記の内容で実施しました。

【第1部】                姫路城下の歴史と伝説を歩いて巡る(午前9時30分〜11時)

姫路ボランティアガイドの案内で、江戸時代のメインストリートである「中の門筋」を通って姫路城に向かう。
この筋には所々史跡が有り江戸
時代の物では播州皿屋敷の「お菊神社」が有りお菊が祭られています。
今の姫路の「ゆかた祭り」はこの地が発祥だと言われています。
終戦時の爆撃の後等の写真も展示されてリアルな
状況が展示されて
いました。姫路城が爆撃から逃れられたのは、照明が無く唯暗かっただけで米軍の配慮が
あった訳では無く、幸運の結果だったそうです。
中の門筋の突き当りは中の門(江戸時代では大手門とされていた)の
石垣の一部が残っています。
その後イーグレ姫路の屋上で、改装なった姫路城天守閣をバックに記念写真を撮りました。


[ 姫路城をバックに午前中参加者全員 ]

圧巻は場内に入って展示されている西の「大柱」です。昭和の大改修時に取替えられた物で高さ24.6m根元太さ95cm
のものです。
しかし実際にはこれほどの木材は見つからず、結果的には二本の柱を三階部分で繋ぎあわせています。
東の大柱は根元を補強して再使用しています。 
もう一つ、穴場ですが黒田官兵衛の城だった姫路城を豊臣秀吉に
譲渡した時に作った石垣が残っています。それが下山里石垣で、1580年頃自然石を加工せずにそのまま積んだ
「野面積みの」の石垣です。
姫路城で最も古い石垣です。

午前中の参加者39名

【昼食】 姫路駅から山陽電車荒井駅に移動して三菱重工高砂クラブで昼食会

      午後の参加者47名

【第2部】   神戸製鋼所高砂製作所・回転機工場見学

同社の機械事業の中核である圧縮機の製造拠点、高砂工場を見学しました。神戸製鋼所はスクリュ式、遠心式、及び
往復式と全てのタイプの圧縮機を製作している世界唯一の総合圧縮機メーカーである。 石油精製・石油化学プラント、
発電所、海上の石油掘削用基地などの様々なプロセス用途に応じて世界中のプラントへ各タイプの圧縮機を数多く提供している。

まず、鋳鍛鋼、鉄粉、産業機械、圧縮機全般にわたる高砂事業所全般の説明を受けたのち機械事業の中心である圧縮機の
一般説明を受けた。
その後、同社のスクリュー圧縮機技術研究の総帥である吉村省二研究首席員(S55年機物修士卒)から
開発動向について次の要旨の講演があった。
神戸製鋼所は圧縮機の総合メーカーであり、中でもスクリュー圧縮機は、単に
ガスを圧縮するだけでなく、エネルギー機器として様々な用途に適用している。特にいままで有効利用されず、捨てられていた
蒸気、温水などを有効エネルギーに変換する機器を開発している。高圧蒸気は、通常そのまま使用することは少なく減圧して
使用される場合が多い。そこで、減圧時のエネルギーを利用して、圧縮機を逆回転させて発電させる蒸気駆動発電機、空気を
圧縮する蒸気駆動圧縮機、低圧蒸気や温泉などの温水を利用し冷媒を蒸発させ、その圧力で発電機を駆動して発電する
バイナリー発電機が開発されている。このように圧縮機という枠を超えて、様々な分野で圧縮機の応用製品が利用されている。

一方、従来の圧縮機用途において、冷凍機の脱フロン化、空気圧縮機の省エネ診断、石油オフガスの再利用など、
地球環境に配慮した技術を開発している。
講演の後、3班に分かれてスクリュー圧縮機の原理、組立状況、巨大な20MWの
テストセンターを見学し、感銘を受けた。質疑応答においては事業責任者の大濱専務取締役が参加し、90%を占める
海外案件への対応など活発な応答があった。 参加者からは近来にない素晴らしい見学会であったとの感想が多く聞かれた。

                    
以上