見学内容と感想:スポーツ工学研究所の藤田所長の概要説明からはじまった。
ランニングシューズの特注生産ラインの見学、人工気象室や運動機能測定装置などの見学をしたのち、
ミュージアムを見学。
ここでは過去50年間の靴が約500足展示してある。イチロー選手の軽量な靴やアテネマラソンで優勝した
野口みずき選手のシューズ、札幌オリンピックの日の丸飛行隊のシューズなどを見学した。
また、参加者を代表して古谷夫人の足の3次元測定をしていただき、結果についての議論に花が咲いた。
ランニングシューズの特注は世界のトップアスリートを主体に年間約7000足を生産しているとのこと。
その後機能開発チームの木曾氏から運動解析とシューズの構造に関して30分ほどの説明が
あった。特にランニング時の足首近傍の動きの高速ビデオを見せられたとき、体重60kgの人の足に掛
かる250kgもの荷重の様子に全員が驚きの声をあげた。これにより運動時に靴の機能がいかに重要で
あるか理解できた。
また素材の選択と組み合わせ、構造設計を適切に行い、同社のランニングシューズは8項目の評価について
他社のものより機能が低いと商品化されないとの説明にスポーツシューズに対するトップブランドの
意気込みが感じられた。
イチロー選手の野球靴は280グラムと軽量であり年間60足供給しているとのこと。
約3試合で1足履き つぶすのかと大変驚いた。
またアテネの濡れた坂道を走るために滑らないように靴底にもみがらを入れたものを使用したとの説明に
はまた感嘆。
このようにトップアスリートに対する適切な靴の供給から一般市民のランニングシューズまで機能に対する
シミュレーションとCAEによる設計が実施されていることに感銘をうけ、購入者も目的に応じた選択が必要と
感じた次第である。
見学終了後西神中央駅近くのレストランで食事をし、見学時の感想や近況などに花を咲かせたのち 解散し、無事午餐会を終了した。
蔵前の参加者は次のとおり。
伏野勅明(S23窯)・赤染義一(S25応化)・古谷昭雄(S30電)・木田徳郎(S30繊)・奈良好啓(S31機)
・岩田義弘(S32機)・小林昭夫(S32機)・甲田廣行(S33化工)・宮本廣行(S33機)・中野正秀(S34化学)
・一戸英輔(S35物)・高橋卓夫(S35電)・伊藤宏明(S36電化)・金子文憲(S36機)・野依辰彦(S38機)
・田村洋一(S39電気)・竹田秀道(S40建)・神山征彦(S40繊)・伊奈照夫(S41機)・坂本洋一(S46無機)
・太田高志(H14有高)
関西5支部・午餐会幹事長 注釈:
今回のアシックス(株)・藤田 スポーツ工学研究所見学に際しては、兵庫県支部の田村洋一 氏(S39電気)の、
半年以上にわたる綿密な準備と、見学先との詳細な打合せの結果実現されたものである。
本スペースをお借りして、厚く御礼申し上げます。